税金・年金・社会保険まとめ

税金・年金・社会保険まとめ

税金・年金・社会保険のお金にまつわる部分について情報が多すぎて知らないことが多過ぎる上、誰も教えてくれません。「重要情報を逃さない」、「損しない」ためにも大事な情報を自分なりにまとめてみます。

消費税の簡易課税制度

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会社を経営していると、様々な税金について考えなければなりません。

 

法人税は利益の何%?

消費税は納めるの?

法人にも住民税がかかるの?

事業税と法人税は別なの?

赤字なのに税金取られるの?

事業所税って何?

年末調整?

自動車税、固定資産税、不動産取得税? etc.

 

 上記のように考え出したらキリがないくらい税金があり、難解なものも多いため全てを把握することは大変困難となっています。

把握自体が大変困難であるにも関わらず、税金の計算方法について細かく有利選択等ができる場合も多く、知らず知らずの内に本来納めなくてもよかった分まで納めてしまったケースも多くあったりします。


当ブログでは、このような「この情報は知らなかった!」というケースを少しでも減らすために「節税」をテーマにした内容も掲載していきます。

 

今回は消費税の簡易課税制度についてまとめます。

 

 

消費税の計算方法(原則)

消費税の計算方法は原則、簡単に表すと、

「売上時に預かった消費税△仕入時に支払った消費税=納付する消費税額」

となっています。

 

例えば、

・年間売上額3,000万円(消費税額240万円)

・年間仕入額1,000万円(消費税額80万円)

・年間人件費1,500万円(消費税額0万円)

上記の場合だと消費税の年間納税額は160万円(240万円△80万円)となります。

単純計算ですが、これが原則の計算方法です。

 

消費税の簡易課税制度

では、節税に使えるかもしれない簡易課税制度とはどのような計算方法になるのでしょうか。

上記と同じ条件(年間売上3,000万円・年間仕入1,000万円・年間人件費1,500万円)の場合、事業の業態により異なりますが、年間の納税額が下記のようになります。

 

(計算方法)

売上時に預かった消費税△(売上時に預かった消費税×みなし仕入率)=納付する消費税額

 

(納税額)

・卸売業(第1種事業):216万円(240万円×90%)

・小売業(第2種事業):192万円(240万円×80%)

・製造業等(第3種事業):168万円(240万円×70%)

・飲食店業等(第4種事業):144万円(240万円×60%)

・サービス業等(第5種事業):120万円(240万円×50%)

・不動産業(第6種事業):96万円(240万円×40%)

(※みなし仕入率は事業の業態により異なります。)

 

上記のように、第1~3種事業(卸売業・小売業・製造業等)については原則計算の方が納付額が少ないため、簡易課税制度を選択する必要はありませんが、第4~6種事業(飲食店業等・サービス業等・不動産業)については簡易課税制度の方が納付額が少なくなるため、簡易課税制度を選択した方が良いということになります。

 

なお、事業区分の判定については国税庁のHP:簡易課税の事業区分について(フローチャート)|国税庁をご参考下さい。

 

簡易課税制度選択の条件

簡易課税制度を選択するためには下記の条件を満たしていることが必要となります。

 

(簡易課税制度選択の条件)

・基準期間(前々年もしくは前々事業年度)の課税売上高が5,000万円以下

簡易課税制度選択届出書を期限までに提出していること

 

簡易課税制度は中小企業の事務負担を考慮するために設けられている制度のため、売上額の制限があります。年間の売上額が5,000万円以下の企業は、一定期間毎に必ず原則計算と簡易課税制度のどちらが有利か必ず判定した方がよいでしょう。

 

なお、年間の売上額が5,000万円超を超える見込みであっても、設立1年目と2年目は売上制限がかからないため、必ず検討することをオススメします。設立1年目の場合は、最初の事業年度最終日までに届出書を提出すればよいので、1年間の見込みが決まった頃に検討して提出すれば適用を受けることができます。

 

簡易課税制度適用の注意点

注意点としては、簡易課税制度を一度適用してしまうと、2年間は継続適用をしなければならないため、1年目は得したけど、2年目は逆に損して通算して原則計算の方が納税額が少なかったのに…となってしまったら元も子もありません。

簡易課税制度を選択する際には、必ず2年間分を検討して納税額のメリット、事務負担のメリットを考えてから届出書を提出するようにしましょう。