税金・年金・社会保険まとめ

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税金・年金・社会保険のお金にまつわる部分について情報が多すぎて知らないことが多過ぎる上、誰も教えてくれません。「重要情報を逃さない」、「損しない」ためにも大事な情報を自分なりにまとめてみます。

少額減価償却資産とは?有利選択は可能?

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このページでは、少額減価償却資産についてまとめます。

少額減価償却資産として計上する場合、どの資産を少額減価償却資産から計上すべきか悩まれる方もいるかと思いますので、私見にはなりますが、その判断基準も書いてみようと思います。

 

 

少額減価償却資産とは

少額減価償却資産とは、1単位あたりの単価が20万円以上30万円未満のものが一括経費計上できる制度で、この制度が適用できる法人は資本金が1億円以下で大会社の子会社でない法人が適用の対象となります。

なお、この制度の適用上限は税抜300万円未満までとなっています。

 

償却資産税の対象であることに注意

会計上は経費計上するため固定資産台帳には掲載されませんが、償却資産税の課税対象であることに注意が必要です。

この少額減価償却資産の制度は国税である法人税の制度ですが、償却資産税は地方税であるためこの制度の対象外となります。

従って、資産計上のものだけを償却資産税申告書に記載してしまいがちですが、費用計上しているものでもこの少額減価償却資産制度の適用対象であれば、償却資産税申告書に記載することを忘れないように注意しましょう。

 

少額減価償却資産はどれから優先すべきか

上記で記したように1単位あたりの単価が20万円以上30万円未満のものが資本金1億円以下の会社の場合に適用できますが、年間で300万円未満までと決められています。

少額減価償却資産に計上できる1単位あたり税抜20万円以上30万円未満のものがあまりなくて総額が上限の300万円未満であれば文句なしに全てを少額減価償却資産にすればよいですが、300万円基準を越える場合にはどの分を少額減価償却資産にすればよいか判断に困ることがあります。

そんな時は下記の考え方が参考になるかもしれません。

 

耐用年数が長いものから優先

税務上は損金計上を早くしたほうが税金的には得すると言われています。法人税率が年々下がる傾向にあるからです。

耐用年数15年のものと耐用年数4年のものでは耐用年数が長い15年の方が全額を損金計上するのに時間を要するため、15年のものから少額減価償却資産とした方が節税に繋がります。

 

取得が遅いものを選択

3月決算の場合、全く同じ金額の資産を取得した場合に4月に取得したものと12月に取得した資産のどちらかしか少額減価償却資産に計上できない場合には、12月に取得した分を優先して少額減価償却資産に計上した方が得になります。

理由は、減価償却費がもし12月取得分を通常の固定資産とした場合には4ヶ月分しかその期に減価償却費は計上できませんが、4月取得分を固定資産とした場合には12ヶ月分を減価償却費として計上できるためです。

上記同様、損金計上を早くする節税方法です。

 

期末に修正するのも1つの方法

会計的にはあまり好ましくはない方法かもしれませんが、この制度を適用できる会社は税務を優先して考える会社が多いと思いますので、記載します。

税務的に総額300万円未満までということは300万円ギリギリに近い金額で、なお、上記のように耐用年数が長いものを選択しないとせっかくのこの制度ももったいないです。

そのためには、一旦帳簿上で少額減価償却資産に該当させるか判断した上で費用計上したものや資産計上したものも期末時点で再度検討してみましょう。

より節税に繋がる可能性がある場合には監査法人・税理士等に確認して修正仕訳を計上して再度有利選択してみましょう。