税金・年金・社会保険まとめ

税金・年金・社会保険まとめ

税金・年金・社会保険のお金にまつわる部分について情報が多すぎて知らないことが多過ぎる上、誰も教えてくれません。「重要情報を逃さない」、「損しない」ためにも大事な情報を自分なりにまとめてみます。

年末調整で提出し忘れた場合の確定申告(生命保険料控除)

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「年末調整の書類を会社に提出し忘れた!?」とか「年末調整で提出すべき資料とは知らなかった…」などの理由で年末調整で控除の申告漏れが発生していた場合、諦めていませんか?

 

ここでは、年末調整で漏れたから「今年はもうこのままでいいや~。」と思うケースと、「確定申告でその分を申告しよう!」というケースでいくら税金が変わってくるか具体的な金額で見ていきます。

 

 

年末調整で提出が漏れそうな書類

会社勤めの方が会社で行う年末調整時に提出する書類として下記が挙げられます。

 

・生命保険料控除証明書(生命保険料分・介護医療保険料分・個人年金保険料分)

地震保険料控除

・住宅借入金等特別控除

社会保険料控除(主には国民健康保険料・国民年金など)

・小規模企業共済等掛金控除

・前職の源泉徴収票 など

 

この中でも今回は生命保険料控除証明書(生命保険料分・介護医療保険料分・個人年金保険料分)に焦点を当ててまとめます。

 

 生命保険料控除とは…

生命保険料控除とは、納税者が生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に、一定の金額を年間の「所得額」から控除できる制度です。

 

加入している生命保険料等は全部年末調整の対象?

具体的な対象は、国税庁のHP(https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1141.htm)に記載がありますが、分かりやすくいえば保険会社などから「保険料控除証明書」が届けばそれは年末調整、確定申告の対象になります。

 

申告した場合にはいくら還付される?

年末調整は漏れてしまったけど、「難しそうだな」、「面倒くさいな」、「どうせ大して変わらないんでしょ?」と思っている人もまずは下記計算式で実際計算してみて、申告するかしないかを決めてみてはいかがでしょうか。

 

計算式

まず、前提として、生命保険料控除の適用最大限度額は12万円で、生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料がそれぞれ4万円ずつとなります。

 

【控除金額】

・年間支払保険料が2万円以下の場合

→支払った額の全額

 

・年間支払保険料が2万円超4万円以下の場合

→支払った額×1/2+1万円

 

・年間支払保険料が4万円超8万円以下の場合

→支払った額×1/4+2万円

 

・年間支払保険料が8万円超の場合

→ 一律4万円

 

となってそれぞれ年間8万円を超えて支払っている場合は3種とも4万円が適用されて12万円の控除が受けられる仕組みとなっています。

 

(※平成23年12月31日以前に締結した保険契約の場合は、「生命保険料・介護医療保険料」と「個人年金保険料」の2種で各5万円までの控除となり、最大10万円の控除となります。)

 

税金にするといくら還付される?

では、具体的な控除額はいくらになるか計算してみます。

今回、計算しやすいように最大適用の12万円を所得から控除することとします。あくまでも生命保険料控除は「所得」から控除されることに注意して下さい。

 

なお、具体的な金額は個人によって異なってしまうので、具体的な金額は下記方法で計算してみて下さい。

 

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 【所得税

下記の①~⑦の内、該当する所得金額から計算式を選び、計算式の「課税される所得金額」から12万円を引いてから税率を掛けた金額が具体例な所得税の還付金額となります。

 

※ただし、生命保険料控除額を引いた後の所得金額で①~⑦の区分が判定されるため、控除後の所得から①~⑦の税率を選択して下さい。もし、税率が変わるのであれば生命保険料控除以上に税金が還付されることになります。

 

※「課税される所得金額」とは、源泉徴収票に載っている「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引いた金額です。

 

①課税される所得金額が195万円以下の場合

「課税される所得金額」×税率5%=所得税

 

②課税される所得金額が195万円超330万円以下の場合

「課税される所得金額」×税率10%-97,500円=所得税

 

③課税される所得金額が330万円超695万円以下の場合

「課税される所得金額」×税率20%-427,500円=所得税

 

④課税される所得金額が695万円超900万円以下の場合

「課税される所得金額」×税率23%-636,000円=所得税

 

⑤課税される所得金額が900万円超1,800万円以下の場合

「課税される所得金額」×税率33%-1,536,000円=所得税

 

⑥課税される所得金額が1,800万円超4,000万円以下の場合

「課税される所得金額」×税率40%-2,796,000円=所得税

 

⑦課税される所得金額が4,000万円超の場合

「課税される所得金額」×税率45%-4,796,000円=所得税

 

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また上記から算出される税金にプラスして住民税も安くなるので、その分のメリットも考慮して下さい。

 

【住民税】

金額としては、住民税の生命保険料の控除限度額は12万円ではなく7万円のため、所得から計算する部分が一律10%から、生命保険料控除額が7万円であれば7千円が翌年の税額から減額されます。

 

 【合計額】

よって、確定申告で最大限度額12万円を申告する場合には、税率が10%部分に該当すれば所得税12,000円、住民税7,000円の合計19,000円が還付・減額されます。

 

この金額が大きいか少ないかは個人の判断ですが、あとから「こんなに税金変わるんだ!?」とならないようにこの計算だけはしてみてはいかがでしょうか。

 

そして、何よりこの計算・確定申告の手続きは思いの外、時間・労力がかかるので、一度経験することで、来年からの年末調整提出漏れ防止にも繋がるかもしれません。